
鉛筆で絵を描く。
ずずず、と小さな音を立て、
鉛筆の芯が紙の上をゆっくり進む。
摩擦でおこるその抵抗を感じながらじっくり線を引くのが好きだ。
ボールペンやマーカー、筆とは全く違った感覚。
「これは大きすぎる?もう少し丸みをつける?」
ゆっくり進む芯先を見ながら、いろんなことを考える。
最後の時間稼ぎをさせてくれる鉛筆は、
僕みたいな優柔不断な人間にとても向いている。
コンピューターで絵を描くときには、
タブレットという擬似的なペンと紙を使うのだが、
そのなめらかな書き心地が好きになれず、
表面にコピー用紙を貼りつけたり、筆先を硬いものに変えたりと、
できるだけ鉛筆に近い書き心地になるようにしている。
筆でさらっと一気に絵を描く人がいる。
「この人は何事も決断が早いんだろうな」
などと、感心している僕の手には、
消しゴムが握られていたりする。
プロフィール:
津吉学 Gaku Tsuyoshi
アパレル・グラフィックデザイナー
Official Website http://www.fdmtl.com/